[8]障害者福祉と雇用支援

2022年度改正
①障害者手当：物価下落0.2%を引下げます
②職員の処遇加算：2-9月分は補助金、10月以降は介護報酬引上げで対応します

１.障害者手帳･障害者手当
⑴手帳の種類
①身体障害者手帳
1-7級に分かれ、視覚･聴覚･平衡機能･音声言語障害、肢体不自由、内部障害(心臓･腎臓･肝臓･呼吸器･腸･エイズ)が対象
②療育手帳：8歳頃までの精神遅滞、知的障害が対象 (都道府県で名称異なります)
③精神障害者保健福祉手帳：1-3級に分かれ、精神障害･発達障害･高次脳機能障害･認知症高齢者が対象
⑵障害者手当
在宅の重度障害者に支給(国の制度･都道府県の制度)、障害児の手当は19歳までです

２.障害者総合支援法
⑴利用方法
①訪問調査：障害区分1-6段階
②サービス利用計画作成：無料
⑵自己負担
①利用者負担：原則1割負担(9割税金)
②低所得世帯の負担軽減
a.障害者と配偶者の所得で決まります
b.非課税世帯の介護サービスは無料
c.サービス利用により生活保護に移行しないための軽減があります
③最終負担率：障害者平均0.25%、障害児平均2.51%
④高額障害福祉サービス費
a.介護保険･障害者総合支援･児童福祉制度の合算
b.生活保護･住民税非課税世帯は0円、課税世帯でも月上限37,200円

⑶総合支援の特徴
a.障害の重さから､支援の必要性に改正
b.障害の種類により利用できるサービスが異なります
c.日中活動と住まいを組み合わせて利用します

⑷総合支援の種類
①介護給付の種類
居宅介護･重度訪問介護･同行援護･行動援護･重度障害者等包括支援･短期入所･療養介護･生活介護･施設入所支援
②訓練等給付の種類
共同生活援助･自立訓練(機能訓練･生活訓練)･就労移行支援･就労継続支援(A型･B型)･就労定着支援･自立生活援助
③地域生活支援事業
必須事業と任意事業があり、以下は必須事業の例
a.市町村事業
相談支援･自発的活動支援･意思疎通支援事業(手話通訳等)･日常生活用具給付(介護･訓練用具)
b.都道府県事業
専門性の高い相談、意思疎通支援者育成
④自立支援医療･補装具
a.1割負担、所得に応じた上限があります
b.障害を軽減･除去する手術･療法で、障害者の更生医療、障害児の育成医療があります
c.精神通院医療
d.補装具の購入･修理
⑤障害児の入所･通所支援
a.障害児入所施設(福祉型･医療型)
b.通所施設：放課後等デイサービス、福祉型児童発達支援(福祉型･医療型･居宅)、保育所等訪問支援があります

⑸発達障害児の支援
①種類：自閉症､アスペルガー症候群､学習障害、注意欠如･多動性障害、知的障害
②対応：発達障害者支援センター、乳幼児健診で早期発見

⑹特別支援学校･学級(旧養護学校･盲学校･ろう学校)
幼稚部から高等部まであります
高卒の進路は、福祉施設入所･通所61%

３.障害者の雇用促進
①雇用義務率：未達成企業から調整金を徴収･達成企業に報奨金支給
②ジョブコーチ(職場適応援助者)：本人･職場･家族に就職継続支援をする

４.障害者福祉･優遇制度
①種類：医療費の自己負担分助成･食事サービス･無料乗車券･補助犬(盲導犬･介助犬･聴導犬)･点字図書など
②優遇制度：税金控除･利子の非課税、郵便･運賃･公営住宅家賃などの割引

５.障害者虐待
①虐待者：養護者･施設職員･事業主(企業)
②被害者：知的障害者が多い
③虐待の種類：養護者と施設職員は身体的虐待、使用者は経済的虐待が多い

６.知的障害者･精神障害者の身上監護･財産管理
⑴日常生活自立支援事業
a.軽度の認知症･知的･精神障害者が対象
b.社会福祉協議会に申請
c.障害者自立支援の利用援助･日常的財産管理･重要書類等の保管

⑵成年後見制度
①法定後見
a.すでに判断力が低下している時、家庭裁判所に申請
b.判断力により補助･保佐･後見に分かれ、支援の範囲が異なります
c.東京法務局に後見内容を登記します
d.身寄りのない人は市町村長申立を利用します
e.後見人は家裁が決定、7割が弁護士などの第三者
f.家裁が必要と認めると監督人も付きます
g.手術などの治療方針、死後の整理義務は対象外です
h.後見制度支援信託は、生活費以外を信託して後見人の不正防止を防止します
②任意後見
判断力のある時に、後見人と後見内容を決め、公正証書を作成しておきます